扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

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特別イベント

  • 2019年9月7日(土) 読書会:16:30~18:30 懇親会:19:00~21:00
  • 【関西月曜会×名古屋月曜会】梶井基次郎「檸檬」/森見登美彦「四畳半神話大系」 in 京都

2019年9月7日(土)、2つの台風に挟まれて真夏の暑さが戻ってきてしまったこの日、猫町倶楽部の関西月曜会と名古屋月曜会の合同読書会が開催されました。
開催地は中間の地、京都。京都名物の暑さの洗礼を受ける、絶好の読書会日和となりました。

課題本は京都にちなんで梶井基次郎「檸檬」(角川文庫)と



森見登美彦「四畳半神話大系」(角川文庫)からの選択制です。



 

読書会のレポの前に、まずは今回の会場「幻想庵」さんのご紹介を。



幻想庵は、老若男女、各国から訪れる人々で賑わう四条から南に入った、築130年を超える紡問屋さんの建物の一角です。本業の展示会期間以外は使われていないお部屋を貸しギャラリーにされていて、京町屋の風情を楽しめます。







ひんやりとほの暗い土間、歩くと小気味よくみしみしと鳴く廊下や階段。
初めてお邪魔するのにどこか懐かしさを覚える佇まいです。



階段を上がった先の、金屏風が鎮座する70畳の大広間が読書会会場です。



紬問屋さんということで、欄間には ♪さくらさくら にある「かすみか雲か」のモチーフを織り込んだ紬が使われています。
今ではもう作られてない貴重な生地のお座布団をお貸しいただいたり、書棚を使った机をお貸しいただいたりと嬉しいおもてなしをいただきました。



部屋のあちらこちらに控えめに置かれた檸檬にキュンと甘酸っぱさを感じます。

そんな素敵な幻想庵さんでの読書会ですが、この日の参加者はこの大広間に納まりきらない、なんと総勢93名!



全員での記念撮影がかつてないくらい豆粒サイズ。会場びっしり猫町メンバーです。

当初70名の定員が、あまりの人気に80名、100名と増え、急きょもう一間追加でお借りしたほどです。
猫町倶楽部に初参加の方が10名近く、関西と名古屋の参加者の割合は2:1といったところでしょうか。
東京等その他の地域から足を運んだメンバーも数名いて、全国の本好きの精鋭がこの地に集結したといっても過言ではありま…すみません、過言です。

 



サポーターのまみさん、taishoさんの司会で読書会が始まります。
本柄のシャツをイキに着こなす猫町倶楽部主宰のタツヤさんのあいさつのあと、猫町倶楽部の読書会の唯一のルール「他人の意見を否定しない」の遵守を確認して、灼熱の読書会、スタートです。



参加者の課題本の選択は「檸檬」と「四畳半神話大系」できれいに半数ずつ。7テーブルずつ、14テーブルができました。

まずは「檸檬」組から出た感想をご紹介。



表現が美しい。檸檬の酸味や色などを想像させ、さわやかさがある。
画集と檸檬の色のコントラストが目に浮かぶ。
表現は詩的で美しく、ユーモアもあるが、梶井本人の本音はあまり感じられなかった。



病気を患い、死期が迫っていることを自覚しているからこそ書けた文学。結核文学。
病気になったことで他者と自分の世界が別れて客観視している。こういう感覚は身に覚えがある。(もしくはない)



檸檬や蝿などのモチーフが繰り返し登場しているのは、本人のお気に入りだからか。
人物があまり出てこず、風景描写が多い。すべてが自分だけの空想の世界のように思える。
対象に自己を投影し、それをうまく表現できている。

京都の丸善には各出版社の「檸檬」を集めた「檸檬コーナー」がある。



梶井基次郎の世界観を分析したり、理解できるかどうか話し合ったテーブルもありました。

 

一方、「四畳半神話大系」にはこの作品を始め、京都が舞台の小説を多数書かれている森見登美彦さんの熱心なファンが多く参加してくださいました。

実はサポーターの中にも熱烈なファンがおりまして、「『四畳半神話大系』をやるなら絶対カステラを出したい!予約も買いだしも運搬も全部自分でやるから、出したい!」と熱くリクエスト。



さすがに1人1本は無理でしたが交渉の甲斐あって1切れずつカステラをご用意することができました。
読書会で酷使する脳への糖分補給にもぴったりで、大変おいしゅうございました。



ちなみにそれを聞いた「檸檬」で参加するサポーターが「我々も檸檬を用意したい!でも本物は丸善に置きに行きたいから折り紙で…」と、当日せっせと大量の檸檬をこしらえていたのでした。

閑話休題。

それでは、そんな「四畳半神話大系」の感想をご紹介します。



京都の書き方がマニアック。作者の京都が好き!という気持ち、多くの人があこがれる「京都」が詰まっている。
でも実際の京都はもっと普通(笑)



多くの人が身に覚えがある、大学生活あるあるが多い。
自分のバラ色ではない学生生活を肯定する話。



登場人物がアニメ・漫画的だと感じたが、それは物語の構造(パラレルワールド)に注目させるための手法かと思う。
「コロッセオ」の意味がわからなかったが、四話まで読み進めて一巡した感じがしたので、そのことを差しているのではないかと思った。
「蛾」の登場理由も最後まで読んでその意味がわかった。



バラ色の学生生活など存在せず、どの自分も灰色の学生生活を精一杯謳歌していると悟ることができたから、主人公も「俺なりの愛だ」と言えるようになったのだと思う。

アニメもおもしろい!



 

暑い京都での熱い読書会はあっという間に終了の時間となり、恒例のベストドレッサーの発表です。
この日のドレスコードは「高等遊民」



各テーブルから選出された14名の高等遊民さんがずらりと一列に並びます。



書生をイメージした方、モダンボーイ・モダンガールをイメージした方、和装でいらした方、「お金と時間がある」から発想した物や作品に関わりのある物をお持ちいただいた方、高等遊民に恋する女学生という方もいらっしゃいました。

 

その後、猫町民一行は懇親会会場へ民族大移動。
なにせこの日の懇親会へは読書会参加者のほとんどが参加という、脅威の参加率9割越え!移動も大変です。
会場の梅の小町四条烏丸店さん、大人数を受け入れてくださってありがとうございました。





ご覧の通り、懇親会会場はこんなにギュウギュウ。
ここ以外にもう一間あるのですが、そちらもギュウギュウ。



でも、初めて会った人とも、同じ本を読んだ、同じように本が好きだ、猫町のメンバーだという共通点だけで話しても話しても時間が足りません。

読書会の準備に力を注いだ関西と名古屋のサポーターも大いに盛り上がり、おかげでこのあたりの写真がございません(笑)
どれだけ楽しかったかご想像いただけると思います。

時は無情に過ぎ、電車の時間を気にして名残惜しそうに去っていく名古屋からの参加者が増えてきた頃、懇親会もお開きとなりました。

 

更にこの日は 「BOOK AND BED TOKYO 京都店」での宿泊企画も開催。



本を読みながら寝落ちができるという、本好きにとっては至福のB&Bです。
宿泊組は宿に移動した後も、話したり本を読んだり、寝落ちしたりしていたそうです。
元気に森見ワールドをめぐる3次会に繰り出す有志組もいたとか。

場所が変わってもメンバーが変わっても、猫町の読書会は猫町の読書会。
同じ本について語り合い、新しい発見をする楽しさはどこに行っても、誰と行っても変わらず、とても楽しい時間でした。
「また会いましょう!」「マイミクになっていただけませんか?」と盛り上がる私たちを、京の都はその深い懐で包んでくれていたのでした。

 

◆次回のお知らせ◆

関西文学サロン月曜会
10月5日(土)、課題本は太宰治「人間失格」です。10月27日(日)に開催される関西シネマテーブルとのコラボ企画です。

名古屋文学サロン月曜会
名古屋会場は10月9日(水)、藤が丘本店は18日(金)、課題本は共にメアリー・シェリー「フランケンシュタイン」です。

 

年末には恒例のクリスマスパーティが開催されます。

日程は関西:12/7(土)、名古屋:12/14(土)、東京:12/22(日)です。

今回仲良くなったあの人に会いに遠征するもいいかもしれませんね。

 

詳しい情報はこちらでご確認ください。

猫町倶楽部 公式HP:http://www.nekomachi-club.com

関西月曜会mixiページ
読書会◆関西文学サロン月曜会 http://c.mixi.jp/getsuyoukai_kansai

名古屋月曜会mixiページ
読書会◆名古屋文学サロン月曜会 http://c.mixi.jp/getsuyoukai

 

文責:ゆうみ 撮影:タクミ、ゆうみ、HIROKO

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