扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

  • 2020年2月8日(土) 受付開始16:30 読書会17:00〜19:00 懇親会19:00〜21:00
  • 第60回関西文学サロン月曜会 【沈黙/遠藤周作】

冬も佳境に突入し、関西でも雪が降り始めるなか、
記念すべき(?)第60回目となる関西文学サロン月曜会が
2月8日 大阪 四ツ橋ラポーティアにて開催されました。


今回の課題本は遠藤周作の『沈黙』。
2017年公開のマーティン・スコセッシ監督による映画『沈黙-サイレンス-』の原作としても有名な作品であり、読書会には会場定員ギリギリの総勢49人(初参加の方は9人)が集いました。


舞台は江戸期の長崎。
禁教令により、キリスト教徒に対して強力な弾圧が行われ、己が信仰のために拷問され殉死していく幾多もの信徒を、主人公であるポルトガル人司祭のロドリゴは目撃します。
その惨劇の中で、何故神は沈黙しているのか?ーー
「信仰とは何か」について、深く考えさせられる名作です。

そのような作品テーマから、難解そうなイメージがある本作ですが、初めて読んだ参加者の意見を紹介すると……

・とても読みやすくい作品だった
・ドラマチックな本だと思った。
・歴史は好きじゃなかったけど、興味が湧いて、作中人物が実在している人なのか等を調べたりした

と、意外にも読みやすいというご意見が多かったです。

今まではイメージで敬遠している作品であったけど、実際に読んでみると印象がガラリと変わる経験は、往々にしてあることです。
そのような経験のきっかけとなるのも読書会ならではの魅力ですね。

それでは、各テーブルでどのような感想があったのか、紹介していきます。


・キチジローは最初は嫌いだったけど、読み終わると憎めない

・イノウエとロドリゴの問答がとても面白い

・キチジローはロドリゴに試練を与える神(or悪魔)のような存在だと感じた。

・マラリアで日本に行くことを断念したもう1人の司祭がガルペとロドリゴの結末を聞いたらどう思うのか気になる

・踏み絵を踏んで逃れたキチジローと踏むことができなかったモキチやイチゾーとの違いはどこにあったのか気になった



「信仰・宗教について」

・遠藤周作はイエスや聖書の物語を合理的に説明しようとしている。

・著者は信仰を「個人的なもの」として認めている

・宗教は苦しみの中で人間が強く生き抜く糧になるはずなのに、宗教が原因で人間が苦しみ命が奪われるという矛盾が描かれている

・宗教のことはよく分からないが、宗教が原因で戦争が起きたり政治に利用されたり、あまりいいことはない気がする。

・ロドリゴの信仰は、神に対して利益を求め、与えてもらうことを期待する未熟な信仰だったが、最終的には神には求めず、自らが人に与える(=本当の意味でキチジローに許しを与える)成熟した信仰に変化したのだと思う

・規則に忠実なガルペと、目の前の人に感情移入してしまうが故に規則を逸脱するロドリゴは宗教の話でなくても考える指針になる対比だった


「キチジローについて」

・キチジローは裏切り者として描かれているが、同じ状況であれば大多数の人が同じことをしたのではないか?

・信念のある者は壁に当たり苦悩するが、信念のないキチジローはその場に合わせて生きていくから実は強いのでは?

・キチジローはずっと迷っている。環境からの圧力がキチジローの行動を決定している。同じところをグルグルしている

・告悔を何度も行うキチジローだが、内心では赦されたくないと思っているのでは?


関西猫町倶楽部月曜会では、読書会ごとに定められたドレスコードが存在します。
今回のドレスコードは、キリスト教にちなんで「クロス」。
各テーブルごとに、ベストドレッサーを選んでベストドレッサー賞の授与を行います。




読書会後の懇親会では、「沈黙」の話はもちろん、映画や漫画、愛についてなど、
テーマごとにテーブルを設けて、自由に席を移動して行います。

重いテーマの課題本でも、懇親会ではリラックスして臨めるため、
こちらを楽しみにご参加されている方も多いのでは?



神の沈黙とは裏腹に、大盛況の読書会となりました。


捕らえられた牢獄の格子窓に射す光の先に、ロドリゴが渇望したのはこのような絢爛であったのかもしれませんーー



次回3月の関西文学サロン月曜会『ゴドーを待ちながら』と
長編読書会第二回『カラマーゾフの兄弟3』ですが、
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により延期になりました。
開催日時については決まり次第、改めてお知らせします。
ご参加にあたっては猫町倶楽部のホームページを随時チェックお願いします。


(文:キタ、写真:タクミ、Tomomi)

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