扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

特別イベント

  • 2019年1月23日(水) 
  • 第16回フィロソフィア名古屋 柄谷行人「探究Ⅰ」

平成31123日(水)

フィロソフィア名古屋1月定例会 開催レポート@JAZZ茶房青猫

1月の定例会といえば、ちょうど1年前のフィロソフィア名古屋が雪の降る寒く冷たい日だったのを思い出します。その日は積雪による交通機関の乱れもあり直前キャンセルの方もいました。今回は天候には恵まれて、冬らしい日ではありましたが、いくぶんか穏やかな気候であったように思います。

 


前回の定例会が10月でしたので、3カ月ぶりに開催されたフィロソフィア名古屋今回の課題本は、柄谷行人「探究Ⅰ」(講談社学術文庫)でした。12名の方に参加していただき、猫町倶楽部自体に初めて参加(それでフィロソフィアを選んでくれました!)の方が一名いたのと、他の分科会参加歴はあるが、フィロソフィア名古屋への参加が初めての方も数名いらっしゃいました。

 


主宰のタツヤさんから開会のあいさつがあり、その中で今回の課題本選定の一端が披露されました。過去にゲストイベントに講師で来てくださった、大澤聡さん、東浩紀さんの両名から「探究Ⅰ」は良い本ですよ、と推薦の言葉があったのがきっかけになったとのことでした。




柄谷行人著「探究Ⅰ」はどんな本でしょうか。1985年に「群像」にて連載を開始した評論が基になっています。Ⅰとあるのは、連載途中で本にまとまったからで、続編となる「探究Ⅱ」も出版されています。背表紙にもある「あとがき」より一部を引用してみましょう。

「あえて一言でいえば、本書は《他者》あるいは《外部》に関する探究である。それらの簡単な語は、自分自身を含むこれまでの思考に対する「態度の変更」を意味している」

わかりましたか?やっぱりよくわからないですか?参加者の感想として、「難しかった」「よくわからないところが多くある」との話が出ました。一方で、「20数年前に読んだときには、さっぱりわからなかったが、今回はよく理解できたよ」との感想も持つ人もいました。この難しさについて考えてみると、固有名詞とりわけ頻出する人名についての理解度が大きく関係しているように思うのです。「探究Ⅰ」は過去の多くの哲学者・思想家の文章を引用することによって成り立っています。順不同で記してみましょう。ウィトゲンシュタイン、クリプキ、マルクス、デカルト、スピノザ、フッサール、ハイデッガー、レヴィ=ストロース、ヤコブソン、ソシュール、バフチン、ドストエフスキー・・・等々。著者は初学者に優しく書いてくれていません。注釈や個別の説明なしに、多数の文献を引用しつつ自分の思考をドライブさせていきます。こうした人名から連想される思考の塊を掴むことができれば著者と並走することができるでしょう。逆に、個々の人名に引きつけられてしまうとなかなか思考が進まかったかもしれません。一方で論理展開を見てみると、提起している問題は単純であり「《他者》あるいは《外部》とは何か」を繰り返し思考していきます。

 


そのほかに出た意見としては、

「この文章が書かれた1985年はまだ東西冷戦時代であり、執筆動機にその頃の時代背景が関係しているのではないだろうか」

「ここで問われている《他者》の問題は、現在の社会問題に照らしてみれば、LGBTや障害を持つ人、または外国人への接し方に対して参考になるのではないか」

「論理的な構成はあまり考えずに、思考の赴くままに流れていくので、詩的な文章だなと思います。好きか嫌いか好みがわかれるのではないでしょうか」などがありました。

なかなかに読みがいと語りがいのある本であったように思います。




懇親会は、LaCrea(ラ・クレア)に移動して7名の参加でした。1テーブルを小さく囲んでとなりましたので、参加者からは主宰のタツヤさんに対して課題本リクエストが多くあげられました。みなさん、ここぞとばかりにたくさんの希望を述べていました。もちろんすべてが採用されるわけではありませんが、なかなか活発な感じでよかったです。

次回のフィロソフィア名古屋定例会は、3月を予定していますが現時点では日程・課題本、共に未定となっています。発表をお待ちください。

文章:潤

写真:まりそる、せんせー、潤

 

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