扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

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特別イベント

  • 2019年11月17日(日) 読書会12:50-14:30 トークショー14:40-15:40 観劇会16:00-20:25 懇親会20:40-22:40
  • 【文学サロン月曜会×藝術部コラボ】ゲストイベント&文楽鑑賞会『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』

11月の第57回関西文学サロン月曜会並びに第7回関西藝術部はコラボ企画!第161回直木賞受賞作『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』を課題本に、著者の大島真寿美さんをゲストにお迎えしての読書会&文楽鑑賞会を行いました。


ありがたい事に、参加者47名(初参加の方は1名)に、ゲストの大島真寿美さん、文春の担当者さん、猫町倶楽部主宰のタツヤさんを合わせた計50名の満員御礼!なお、読書会会場には、読書会後の文楽鑑賞に便利な国立文楽劇場の1階にある旧レストランスペースを利用させて頂きました。


この日の読書会は、16:00~20:25の文楽鑑賞会に合わせ、いつもよりかなり早めの12時30分より受付開始。受付係も関西文学サロン月曜会のサポーターと関西藝術部のサポーターのコラボです☆

ちなみにサポーターとは、各分科会の運営をお手伝いするボランティアのこと。分科会にもよりますが、原則半年ごともしくは1年ごとに募集しますので、気になる方は是非お近くのサポーターまでお声掛けください♪

猫町倶楽部主宰のタツヤさん並びにゲストの大島真寿美さんより一言ご挨拶を頂いた上で、読書会の前に簡単なお願いごとのPR。

猫町倶楽部には、会が発足した2006年からずっと大事にしている理念が一つだけあります。それは、「人の意見を否定しない」こと。個人の感じ方の違いですので課題本の否定は問題ありませんが、同じ課題本を読んできたメンバー間で、それぞれがこの本のどの箇所に対してどのように感じたかを共有し合う事が目的の会であり、何が正解で何が間違いという訳ではありません。誰もが話しやすく、楽しい時間が過ごせ、好きなものや嫌いなものを共有出来るような場であり続けたいと考えていますので、それだけは守っていただけると嬉しいです。そしてまた、「参加してみたいけど勇気が出ない・・・」という方も、きっと安心してご参加頂けると思っていますので、勇気を出してまずは一歩を踏み出して頂けると幸いです☆

その後、それぞれのテーブルで読書会の開始。各テーブルには15分起きにゲストの大島真寿美さんが回って下さり、課題本に関する様々な質問にお答えして頂きました☆


大島さんが直木賞を受賞したということもあり、テーブルによってはちらほらと下世話な質問も出ていましたが(笑)、嫌な顔一つせず気さくにお話して下さり、すっかり僕も大島さんのファンになってしまいました♪実はまだ今回の課題本しか読んだ事が無いのですが、様々なジャンルの本を手がけているとの事ですので、これをきっかけにいろいろ読んでみたいと思います☆


ここで、各テーブルで出た感想をいくつか紹介。

「文楽の知識は全く無かったが、文楽の知識が無い人にも分かりやすいよう丁寧に説明がされていて、最後まで一気に読む事が出来た」

「半二が生きた頃の道頓堀や、作中に出てきた文楽作品の話で盛り上がった」

「歌舞伎も文楽も、今はどちらも伝統芸能という位置付けでハードル高い印象があるが、当時は大衆向けの身近な娯楽だったという事を知れて面白かった」

「半二の人生の浮き沈みに自分を重ねて読んだ」


「最近は、若い女性に受けることが新商品のヒットの秘訣みたいに言われているが、当時は斬新な発想だったのかな?」

「女性が背負う社会的な不条理さみたいなものを正直に描いて、それが共感されて今でも残り続けてるという事を知り、なんだか胸が熱くなった」

「色んな人と一つの作品を完成させていく過程が面白く、自分に引きつけて読む事が出来た」

「大島さんの史実とそれを補う空想のバランスが絶妙」


「お佐久が一番好き。お佐久のような嫁が欲しい(同じテーブルの女性陣4人共通の意見)」

「半二の最後のセリフ『まあまあ、いうんは、あんがい、ええもんなんやで』が、同じ専門職に生きるものとして非常に共感した」

「少し説教くさい感じになりそうなセリフをお三輪に語らせる事で、嫌味なく受け入れる事が出来た」

「立作者としての作品は2作しか無いにも関わらず、50作を越える作品に合作者の一人として名前が残されている三好松洛さんの描写が素晴らしかった」


「小説だと違和感を持つことの多い関西弁の会話が、違和感無くすらすら読めた。」

「『』を使ったり、会話を文中に埋め込んだりの使い分けが上手」

「半二は大島先生自身なのかも??」

「歴史の伝記物になりがちだけど、お佐久が出てきて、印象が変わった」


「言葉遣いが印象的で、会話のリズムもすごく良かった。大島さんは名古屋出身なのに何故??」

「大阪にオーロラが出現した時期と妹背山婦女庭訓が作られた時期の時間軸はほぼ合っていると知り、ビックリした。実はノンフィクション??」

「正三と友達だったかどうかは不明らしいが、ご近所さんである事や年齢の設定は正しいらしい。事実と創造とのバランスが絶妙。」


「空気を読む事が求められる今の時代に、人形だからこそ表現できる、共感こそ出来ないが一心に何かを貫き通すお三輪の姿に共感の時代のその先を感じた」

「読んでてワクワクする。非常に読みやすい」

「全ての登場人物が個性的かつ魅力的」


「本の装丁のデザインが好き」

「作家が別の物書きを書いたのが凄い」

「うまくいって終わり、ではないところが現実的」

また、この日は関西文学サロン月曜会とのコラボイベントという事で、関西藝術部では通常実施していないお茶菓子とドレスコード付きの読書会になりました。今回のドレスコードは「人形 または 渦」。


ドレスコードと言われてしまうと身構えてしまう方もいらっしゃるかとは思いますが、あくまでもこれは読書会を楽しくするための「遊び」。過去には全身シロクマの着ぐるみで参加された方も居たりしますが(笑)、ハンカチや文具などの小物1点だけ取り入れるだけでも全然OK!自由な発想で楽しんで頂けたらと思います☆

ちなみに、ドレスコードを間違えたのでは無いかというくらいにお揃いのペアルックで参加されていた二人も居ました(笑)。


読書会終了後は、各テーブルでベストドレッサー賞を決定。受賞者の方たちは、おのおのでドレスコードのポイントをPRして下さいました♪




その後、大島さんを囲んで受賞者の皆さんで記念写真。


続いて、関西猫町倶楽部の各分科会による次回告知。


関西猫町倶楽部には、文学サロン月曜会と藝術部のほかにも、ビジネス書がメインのアウトプット勉強会と、映画について語り合うシネマテーブルの4つの分科会があります。今回はアウトプット勉強会とシネマテーブルのリーダー並びにサポーターの方たちも何名か参加して下さりましたが、多くの方が複数の分科会に参加されていますので、たまにはいつもと違う分科会に参加してみても良いかと思います♪

そして最後に全員で集合写真。


続いて、10分間の休憩を挟んだのち、読書会中に書いて頂いた質問表を使って大島真寿美さんとのトークショーを開始。和気あいあいとした楽しいトークショーとなり、あっという間の一時間でした♪以下に、トークショーで出てきた話題のうち、差し支えが無さそうなものをいくつか紹介。

Q:どの登場人物も魅力的ですが、どのようにキャラクターをイメージされたのでしょうか?
A:キャラクターをイメージして書いたのではなく、書いているうちにそのようなキャラクターになった感覚に近いです。

Q:大阪弁が非常に上手ですが大阪にゆかりがあるのでしょうか?
A:語りをちゃんとやりたかったのでしっかり勉強した。一方で、正確過ぎても大阪の人以外にとっては読みにくくなるので、とにかくリズムを大切にして書きました。


Q:一番気に入っている登場人物はいらっしゃいますでしょうか?
A:そういうのは全く無く、全ての登場人物に対して気持ちはフラットです。

Q:大島さんの作品で時代小説は初めてでしたが何か苦労されたところはありましたでしょうか?
A:特に時代小説を書いたという感覚は無くて、たまたま書きたい話が昔の話だった感覚だったので、特に苦労したという感覚はありませんでした。むしろ、当初の予定では現代の話も織り交ぜていこうと考えていましたが、楽しくなってきてしまい、最後までこの時代で書き切ってしまった感じです。


Q:元々は歌舞伎が好きだったとお聞きしましたが、歌舞伎と文楽の最も大きな違いは何でしょうか?
A:文楽は太夫が物語を語り継いでいくものなのに対し、歌舞伎は役者を観るものである点が最も大きな違いだと思います。仮名手本忠臣蔵は何度も歌舞伎で観た事がある作品なのですが、何度観てもおかるの行動が腑に落ちませんでした。しかし、文楽で観て一気に腑に落ちる事が出来ました。

Q:文楽作品には、心中ものや忠義のために我が子を殺すと言った狂気が描かれる事が多いですが何故でしょうか?
A:今と違って当時は死がもっと身近なものだったからかも知れません。身近だからこそ、美しく死ぬ事に対する憧れなどがあったのかも。また、人形というものを介して私たちが普段見れない世界を見せてくれていたのかも知れません。

楽しかったトークショーの後は、いよいよ文楽鑑賞。今年は国立文楽劇場開場三十五周年ということで、普段は有名な演目しかやらない『仮名手本忠臣蔵』を、4月公演・夏休み特別公演・11月公演の3回に分けて全段完全上演されており、この日は八段目~十一段目までをみんなで鑑賞しました。

4時間半という長丁場であり、かつ、文楽は今回が初めてという方もたくさん居た事もあり、ちらほら寝ている参加者の皆さんも居ました(笑)。ただ、江戸時代の劇場の風景を描いた絵を見ると、観客たちは実に思い思いのことをしているそうです。

元々江戸時代の日本人は長時間じっとしていることが苦手な民族で、演者側も観客の集中力が続かないことを初めから心得ていて、「ここは緩めて、ここで締める」という演出を心がけていたのかも知れませんね☆また、締めるべきシーンになると自然と音が大きくなるため、鑑賞後にみんなの感想を聞いてみると、意外と観るべきシーンはみんな観ていた感じでした♪なので、途中で寝てしまっても全然大丈夫ですし、むしろ無理するくらいなら潔く寝ちゃいましょう(笑)。

鑑賞後は、再度みんなで集まって記念撮影。


その後、希望者は、国立文楽劇場のほど近くにある韓国焼肉居酒屋にて食べ飲み放題の懇親会。10時間を超える長丁場にも関わらず最後までお付き合い頂き、本当にどうもありがとうございました♪




なお、12月の関西猫町倶楽部は、アウトプット勉強会・文学サロン月曜会・シネマテーブル・藝術部合同主催で、クリスマス読書会&パーティー2019を開催します。課題本・課題映画は、以下の5つの中から好きなものを選んでご参加ください。
①片山杜秀/著『歴史という教養』
②川端康成/著『雪国』
③宮下規久朗/著『モチーフで読む美術史』
④【初心者推奨】山本多津也/著『読書会入門 人が本で交わる場所』
⑤映画『戦場のメリークリスマス』
申し込みはこちらから

(文:VAN、写真:タクミ、Tomomi、のんこ)

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